本稿では韓國語と日本語における統語構造と韻律的特徵との對應關係を分析した. 具體的には, 統語的にあいまいな文の意味區別に關與するFOとポ-ズの役割を音響分析と合成音聲による知覺實驗によって明らかにした. その結果, 次のようなことがわかった. 第1に, 兩言語において, 右枝分かれ構造の文の統語境界においてはポ-ズとFOの上昇が觀察される. ただし, ポ-ズは必須の要素ではないが, FOの上昇は必ず存在する. 第2に, 兩言語において, 右枝分かれ構造の文の發話では統語境界直前の句の最終音節の長音化が認められる. 第3に, FOとポ-ズを操作した合成音聲による知覺實驗の結果, 兩言語において, 統語境界を明示する最も重要な韻律的特徵はFOである. 第4に, 兩言語において, ポ-ズはFOほど大きく統語境界の明示化には貢獻しない. 第5に, 兩言語において, 右枝分かれ構造の文の發話における統語境界直前の句の最終音節の長音化現象は統語的にあいまいな文の意味の知覺判斷には大きな影響を與えない. ただし, 右枝分かれ構造の文としての自然性の維持には必須の要素である.