本稿では日本語の「てくる」文を統語的特性によって、對等的·複合的·補助的關係に分類し、それぞれの意味を分析した。 考察した內容をまとめると次のようである。 第一に、對等的關係を表す「てくる」の場合、先行動調と後行動詞の「くる」の間に他の成分の揷入が可能であり、二者の自立性が認められる。この際の後行動詞の「くる」は本動詞であり、辭書的意味を有する。そして、對等的關係を表す「てくる」を述語とする文は復文になる。「て形」は目的性·同時性·繼起性·再歸性·移議の方法を表す。 第二に複合的關係を表す「てくる」の場合、先行動詞と後行動調「くる」は相補完的で、かつ復冷的であり、空間的移動という辭書的意味を持っているものの、自立的ではなぃ。なお先行動詞は移動動詞であり、「くる」は話者の視點と空間的接近を表す。復合的關係を表す「てくる」を述語とする文は單文構造の文である。 第三に、補助的關係を表す「てくる」の場合、先行動詞と後行動詞の「くる」の間に他の成分の揷入は不可能であリ、「くる」は非自立的で、文法的意味のみを表す補助動詞である。補助的關係を表す「てくる」を述語とする文は單文構造の文である。また、後行動詞の「くる』の文法的意味は心理的·知覺的·時間的接近である。