この硏究は、超長壽國日本を素材に、高齡者の生活と意識に基づいて今後の老人文化の方向性を展望することを課題としている。世の中には生きがいをもった生活を送りたいと思いながら、その方法をどのように構築したらよいかわからずに日日過ごしている人も多いだろう。特に高齡者が、生きがいをもって幕らしたい、と思ったときにすぐそれを構築できるように環境を整備し、文化環境を提供することは一つの方法であろう。人間だれもが「よりよく生きる」勸利をもっている。以前の高齡者は生きガいを失いやすい存在であったが、二十一世紀はもう超高齡社會であるので。活力ある高齡社會を生きる對策の一つとして本稿は高齡者を中心とした老人文化を提唱しようとした。 硏究方法は、現地調査はもとより社會政策の理論を踏まえたうえで、生活文化、隱居、福祉文化の槪念などの先行の硏究業績を老人文化の視點から分析し、その中に高齡者を中心とする福祉文化の位置づけを試みようとした。日本の高齡化は人生80年時代にふさわしい「活力ある高齡社會」への取り組みが必要であるとの分析結果に基づぃて、高齡者をただ弱者扱いから脫皮し、自立できる人格として認識するとともに高齡者を取り卷く生活環境整備がより積極的に行われる必要かあると主張した。 また、高齡者をめぐる老人文化の萌芽を支授するためには、まず、前期高齡者には社會參加や社會活動ができるようなサ-ビスを提供すること、次に、後期高齡者や介護に當たる授助者には文化的生活ができるような施設整備や多樣なブログラムの實踐運用が必要であると提案した。これら活力ある高齡者の生活樣式や福祉文化の構築は、今後日本と同樣に高齡者社會を迎えることになる韓國に示唆する點が多いと筆者は考えている。