本稿は現代日韓兩國語における共出現漢語が、19世紀末以降どのような漢語によって形成されたのかを明らかにするための硏究の一環として『分類語彙表』(國立國語硏究所、1964)の意味分類と出自を通して歷史的な變遷過程を考察したものである。その結果ほ次のとおりである。 1) 日韓共出現漢語の意味分野の形成は、語彙交流の初期には異なっていたが、多くの日本製漢語が流入·定着した時期である、1909年 (日本語)·1911 (韓國語) の辭書からは、大體似通ってくることが分かる。 2) その形成過程は、「.1抽象的關係」「.3人間活動·精神および行爲」の中國製漢語は減るが、同分野の日本製漢語は增えていることである。このことは、明治以降中國製漢語が減り、日本製漢語が增えていることを物語っている。 3) 日韓共出現漢語の增加に影響した分野は、語彙交流の初期では「.3人間活動·精神および行爲」の分野であり、その以降では「.1抽象的關係」の分野であることが分かった。また、初期では中國製漢語が、その以降では日本製漢語が共出現漢語の增加に影響している。