この論文は韓日兩國の會社員を對象に行った(調査期間: 2002, 5-9)職場の中での呼び方を調べた結果を社會言語學的な立場で考察したものであるが, 主な內容をまとめると以下のようになる。 (1) 日本人は上司を呼ぶ時,「木村部長」のように「姓+役職名」の形式で呼ぶのに對して, 韓國人は「부장님」のように「役職名+님」の形式で呼ぶ人が最も多かった。 (2) 後輩職員を呼ぶ時, 日本人は男女共に親疎度に關係なく係依「姓ト「姓+サン」の形式で呼ぶ人が多いのに對して, 韓國人の場合は, 男子は「金주임」のように「姓」に「役職名」をつけて呼ぶ人が多く, 女子は役職名より「○○氏」のように「名前」に「氏」をつけて呼ぶ人が多いことが分かった。 (3) 會社で電話を受ける時, 日本人は「TOYOTAの木村です」のように會社名を先に言ってから自分の「姓」を言う人が多いのに對して, 韓國人は「總務課の金○○です」のように所屬部署を先に言ってからFNを言う人が多いことが分かった。 (4) 外出中の上司を第三者に言う時, 日本人は「木村」のように「姓」だけを言う人か多いのに對して, 韓國人は「부장님」とか「金부장님」のように役職名で言う人が多いことがわかった。 (5) 上司に呼ばれたい呼稱として日本人は男女共「姓」に「サン」をつける呼稱を最も好んでいるのに對して, 韓國人の男子は「金課長」のように「姓」に「役職名」をつける呼稱を好み, 女子は「FN」に「氏」をつける呼稱を最も好んでいることがわかった。 (7) 後輩職員に呼ばれたい呼稱として, 日本人は上司と同じく男女共に「姓」に「サン」をつけた呼稱を最も好んでいるのに對して, 韓國人は男女共に「課長님」とか「金課長님」のように「役職名」に「님」をつける呼稱を最も好んでいることがわかった。