本稿は, 日·韓兩言語における推量表現の複雜な構造を, 代表的推量表現形式の對應關係を分析し, 體系的に捉えることを目標とする. 考察の結果をまとめると, 次のようになる. 1) 推量表現形式は, 無準據推量形と準據推量形, 準據推量形はさらに外在準據推量形と內在準據推量形に類型化される. 2) 日本語の「ダロウ」は無準據推量形, 「ヨウダ」「ライ」と「(シソウダ」は準據推量形と認められる. 一方, 韓國語の「ㄹ 것이다」「듯하다」「것 같다」「모양이다」「가 보다」などの形式がこれらの日本語の形式に對應するが, 「ㄹ 것이다」は無準據推量形, 「듯하다」が內在準據推量形, 「모양이다」「가 보다」が外在準據推量形, 「것 같다」が中立準據推量形に位置づけられる. 3) 二つのタイプの準據推量形の形式を持つ日本語に對して, 韓國語は三つのタイプの準據推量形の形式を持ち, 兩言語における形式の分擔する範??の違いが, 兩言語の推量表現の對應關係を明確に把握することを阻んでいるように思われる. 4) 話し手が準據推量形, あるいは無準據推量形のどちらを使うか, また外在準據推量形, あるいは內在準據推量形のどちを便うかは選擇的で, 一部の場面(絶對に外在準據推量形, または內在準據推量形を使わなければならない場合)を除き, 多くの場面で兩者の使用(置き換え)が許容される. 5) 兩言語の對譯資料から集めた用例の對應關係は, 一致對應·交差對應·無對應といえる三つのタイプに分けられる. 交差對應のため, 兩言語の對應關係の規則性を-槪には言えない. また, 無對應とは, 推量形式をとる日本語と斷定的言い方をする韓國語の間に成立する關係で, ??曲的な言い回しが好まれる日本語の特徵をよく反映していると言えよう.