本論文では先行硏究を批判的に繼承しながら、從來論じられてこなかった日本語の周邊的な疑問文の一種である問い返し疑問文を對象とし、まずは日本語の問い返し疑問文が大きく「くり返しの程度性」という觀点から次の二種二類に分類されるべきことを提案した。 1. 直接言述の問い返し疑問文 2. 間接言述の問い返し疑問文 1) 再引用の間い返し疑問文 2) 再構成の間い返し疑問文 さらに、この中でも特に本稿では再構成の問い返し疑問文に焦点を當てて、同じくくり返しの程度、または意味·統語的な觀点から次のような下位タイプが認められることを論じた。 A. 語彙的部分の再構成 A1. 槪念把握 A2. 類義語への置換 A3. 推論 B. 統語的部分の置換 B1. 文構造の再編成 B2. 文タイプの置換 なお、各下位タイプ別に見られる諸特徵についても指摘したが、一貫して<再構成>の問い返し疑問文の一般的な傾向として見られるのは要点だけを殘して「簡略化」した形で繰り返される点であることを指摘した。