本稿は、インタ-ネット用オンライン3Dゲ-ムを使用した韓日間の交流の實踐に關して、主に、初級レベルの學習者および日本人參加者にとっての異文化交流の有效性について論じたものである。韓國での異文化コミュニケ-ション能力を養成するための敎育においては、中級レベル以上の學生を對象に行われることが多く、また日本人との交流の場では、日本語のみを使って交流が進められる場合がほとんどであろう。そこで、初級レベルの學習者に對する異文化コミュニケ-ション能力養成の可能性および日本人學生にとっての言葉を用いない交流の意義という二点に關して調査を實施した。本硏究では、言葉を全く使えない狀況で、韓日の學生同士が意思疏通をはかり課題を遂行するという方法をとったが、この結果、たとえ日本語の學習を始めたばかりの學生であっても、日本人と交流できるという滿足感と、日本語が習熟していないために下位の立場に置かれることがないという安心感を得ながら交流を進めることができたことが明らかになった。また日本人學生の場合、たとえ母語である日本語を使用している狀況においても、初對面の相手とコミュニケ-ションをとる場合、コミュニケ-ションを避けるという行爲につながる「コミュニケ-ション不安」が高いということから考えて、言葉を使わないという今回の試みは、コミュニケ-ション不安の度合いを高めることなく交流を進めることができ、それにより異文化理解を促進する可能性があると推察された。以上のことから、本稿で用いた方法は、異文化交流の「入り口」において、その有效性を發揮しやすいことが示された。