日本語版「韓國文學史」には金台俊『朝鮮小說史』、金思燁 · 趙演鉉「韓國文學史」、金思燁「韓國文學史」、金東旭「韓國文學史」、卞宰洙『朝鮮文學史』、金允浩『物語朝鮮詩歌史』があった。金台俊『朝鮮小說史』は最初の本格的な韓國文學史である。それが平凡社の「東洋文庫」の一つとして選ばれて日本語に飜譯されたということは、この本が 持っている値が日本でも評眄されたことであろう。ただし、小說だけを硏究對象にしていることがネックである。次に、金思燁 · 趙演鉉「韓國文學史」は韓國文學のすべてのジャンルと時期が取り上げられており、ほかの文學史と違って、二人の執筆者が自分の傳門分野を단當している。金思燁「韓國文學史」は前者の中で、金が執筆した古典文學だけを別冊に分離したものである。金東旭「韓國文學史」は比較文學(文化)の觀点から書かれており、特に、パンソリ(판소리)の重要性に氣付 き、「謠物語」という新たなジャンルとして定義した。卞宰洙『朝鮮文學史』は1970年代の北朝鮮での文學史硏究の成果、つまり「主體思想」という社會主義文學觀によって書かれたもので、文化の主體として「人民」の存在を强調している。金允浩『物語朝鮮詩歌史』はタイトル通り、詩歌に關する簡單な說明と逸話を物語風に書いたものである。日本語版「韓國文學史」は70 · 80年代に出版されたもので最近刊行されたのはなかった。分量も一冊だけでシリ?ズものはなく、卞宰洙以外は現代文學を取り上げていない。だから、各傳門家が共同執筆した文學史シリ一ズの出版が望まれる。