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KCI 후보
『坊っちゃん』論 -坊っちゃんの淋しさを中心にして
김복자
일본근대학연구 10권 67-86(20pages)
UCI I410-ECN-0102-2012-830-002972500

生後まもなく里子に出され、翌年には養子にやられた漱石を敍して、「金之助の一番古い記憶に登場するのはこの鹽原夫婦の姿、より正確にいえば父も母もない空虛な世界に置き去りにされた自分自身の姿である。」と江藤淳はいう。これだけの部分にも漱石の存在に對する深い同情の氣持を感じることが出來る。『坊ちゃん』に於いて、漱石は過去に體驗し得なかった母との觸れ合いを下女の淸の中に入れ、聖なる母としての崇高化されたこの世ならぬ無私の愛と信賴がどんなものであるかを描いたものである。明るいユ―モアにみちた『坊ちゃん』の外貌の底部に「滑稽の裏には眞面目がくっ付いて居る。大笑の奧には熱淚が潛んでいる。雜談の底には추추たる鬼哭が聞こえる」というものである。『坊ちゃん』は、無鐵砲で、人生への知惠を欠いた主人公が損に損を重ねて、ついに市井に撤退するまでの話で、同化吸收しようとする有形無形の力を切斷し、獨りでも背筋を伸して生きていたことの話である。それは漱石の淋しかった幼少期の一つの姿であり、淸という下女に、14、5才で死に別れてしまった最愛の母の姿を乘せた追悼の歌だったのである。

[자료제공 : 네이버학술정보]
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