本硏究は戰後1960年代を中心に團體、運動、思想等の側面から敗戰から1960年代までの日本の右翼の特徵を考察したものである。本論者はその考察を通じて日本が特にグロ―バル時代以後なぜ右傾化していくのであろうかという問題を探ってみた。その結果、論者は次のようなものことが理解できた。まず、この時期もっともよく知られている右翼團體は、影山正治·大東塾·石原莞爾の「東亞連盟同志會」、藤吉男の「國粹大衆黨」、大川周明の「東風會」、井上日召の「護國團」、福田進の「防共挺身隊」、谷口雅春の「生長の家」等である。これらの右翼團體の主な右翼運動は皇室擁護、反共、再軍備、日米安保改定などである。彼らのそのような運動を支える基本的思想は天皇中心主義と反共産主義であった。この時期、そのような右翼運動が活發であったのはまず、何よりも日本が大戰で米國に負けたのにもかからわず、戰後にも日本の戰前の右翼勢力が生き殘られたからであり、その次それが可能であったのは、米國が戰後大陸からの共産勢力の南下を防ぐ方法の一つとして、天皇制を守っていくために反共の立場を取っていった戰前の日本の極右勢力を適當に生かしていく必要があるという政策を取っていたからである。こうした歷史的事實からもわかるように、現在日本の右傾化は戰後極東地域における共産勢力の擴張と深く係わっていたし、またそれは日本が反左翼及び中道右翼の道を步みながらその資本主義陣營の盟主の役割を果たしていこうとする米國とのかかわりを維持していくこととも深い係わりをもっていると言える。今後、米國は自分達一國中心のグロ―バル化を推進していく。それと絡み合って日本も自國中心の世界化を推進していかざるをえない。こういう立場から考察してみた場合、今後日本の右傾化は米國のそうしたグロ―バル化に基づく自國中心の世界化として見られる可能性が强いといえるのではないかと思われる。