本稿は日本語敎育における語彙敎育の現狀と問題点について考察したものである。その結果は次のように要約できる。① 日本語の音聲敎育と文法敎育に比べ、語彙敎育は相當遲れている。② 各大學の日本關連專攻のカリキュラムにおいても、日本語の語彙敎育に關わる科目は皆無の狀況である。③ 學習者の敎師に對する日本語の語彙敎育の要求が巖しいが、語彙敎育の可能な敎師は少ない。④ 日本語の語彙學習に適したテキストが殆んどない。このような問題に對する解決策として、日本語學習者の語彙敎育ためのテキスト開發に關する幾つかの試案を提示した。日本語學習において語彙の意味に關する理解や言葉をしゃべるとか文章を書く際の語彙の選擇は何より大事なことである。したがって、日本語敎育において、音聲敎育や文法敎育に比べ相當遲れている語彙敎育について眞摯に考えてみる時期に來ているのである。