本稿の硏究目的は, 戰爭觀を含む日本人の歷史認識が韓日關係に及ばす影響を分析することにある。ここでいう韓日關係とは, 政府間關係をいうのではなく, その基礎となる, 兩國民の相手國に對するイメ一ジ及び韓日關係に對する認識のことである。分析の結果, 韓日關係の葛藤要因といえる英米同罪史觀, 自衛戰爭史觀, 解放戰爭史觀に基づいた日本人の戰爭觀の非論理性を明確にすることができた。さらに, そうした戰爭觀や歷史認識に基づいた妄言が韓國の反發を引き起こし, その反動として日本人の韓國に對するイメ一ジに影響がでて, 韓日關係が緊張關係に태る惡循環が繰り返されていることを, 世論調査を通じて確認することができた。また, 韓日間の政治外交的不安定さが兩國民の相手國に對するイメ一ジの惡化に直結するという構造の下で, ソフトパワ一のもつ重要性を强調した。現在韓日間には韓國の反日ナショナリズムと日本の嫌韓感情の惡循環が續いている。その一方韓流ブ一ムはまだ續いており, 韓日間のスポ一ツ交流, 民間交流も擴大の傾向にある。しかし, 韓國人の日本に對する視線は, 戰爭觀を含めた歷史認識の問題などによって一般的には冷たいといえる。日本での韓流ブ一ムの擔い手も歷史認識をめぐる韓日間の葛藤については大槪無關心である。にもかかわらず, ワ一ルド·カップや韓流に見られるようにソフトパワ一は相手國に對する好感度や韓日關係に對する認識によい影響を及ぼしてきた。重要なことは, こういうソフトパワ一の持續的な作動のためには, 韓日政府間レベルの政治外交關係の安定が必要だということである。政治外交關係が不安定だと, あらゆる分野の交流が安定的に進まない。さらに重要なことは, 政治外交關係を不安定にする, いわゆる戰爭觀を含めての歷史認識をめぐる, 韓日兩國のギャップが存在するということを理解することである。