これは日中戰爭の際、兵隊を題材にした小說を發表し一世を風靡した火野葦平の『土と兵隊』について考察した論考である。特にアメリカと日本のメディア廣告を通して作品にアプローチした。
日本人は戰爭に動員させられるための政策により祖國のために行軍する日本兵の姿、また祖國のために中國大陸で戰う日本兵の姿が腦裏に燒きつけられた。祖國、戰友愛、行軍などのような戰場でのイメージは戰爭歌謠や演劇などの樣々なメディアを通して日本人を洗腦していった。同じ作品が米國で紹介された際には、全く異なる色合いで紹介された。ヒューマニズムにあふれた編集、翻譯がなされ、アメリカ人には日本人の人間的な姿が印象づけられた。
中國大陸で泥にまみれて行軍する日本兵たちの話がメディアの些細な捏造により、全く異なった內容の作品として受け止められたことがうかがえる。日本軍と政府に携わった人々、またはその他の日本國民の戰爭に有利にはたらくような思想を注入するためにメディアを巧みに利用したことがわかる。